ここ最近、本業の収入以外に、副業や株式投資等による副収入等を得て生活する世の中になってきております。
その副業の中でも、特に最近、話題となっているのが「スキマバイト」です!
中長期の雇用形態を結ばず、自身の都合の良い時間(隙間時間)に労働をし、報酬(給与)を得るアルバイト
スキマバイトを運営する会社(サイト)の有名どころは、「タイミー」、「シェアフル」、「メルカリハロ」などがあります。
では、このスキマバイトについて、社労士視点で、スキマバイトを行う上での「注意点」や「知っておきたいこと」をお話していこうと思います。
少し長いので、目次で必要そうな項目のみ、目を通すこと、オススメいたします。
注意点・知っておきたいこと
副業は可能かどうか確認しよう
副業は、労働基準法や民法等に定めはなく、制限もありません。
しかし、会社独自に規定(就業規則等)を設け、副業を禁止にしている場合があります。その場合は、会社の規則に従うようにしましょう。
仮に副業禁止の規定がなかったとしても、一応、上司や人事部等に確認してみても良いかもしれませんね。
ちなみに、「常時10人未満の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成が義務づけられていませんので、このようなケースに該当する場合は、雇用時に渡されたであろう、「労働条件通知書」や「雇用契約書」等に、副業禁止が書かれていないか確認してみましょう。書かれていない場合も一応、雇用者(就業先)に確認してみるといいでしょう。
就業先と「雇用契約形式」のか?「業務委託形式」なのか?
次項以降の扶養関連にとても重要となってくるので、どちらの形式をとっているかは、絶対確認しましょう。
なぜ確認が必要か?
それは、「所得の種類」と「法律の適用」がそれぞれ異なるからです。
- 所得の種類⇨「給与所得」
- 雇用契約のため、労働基準法等の労働関係の法律は適用されます。
- 所得の種類⇨「事業所得」もしくは「雑所得」
- 雇用契約ではないため、労働基準法等の労働関係の法律は適用されません。
ちなみに、どちらの形式をとるかは、「スキマバイト運営」や「就業先」によって、様々らしいので、事前に確認してから応募するようにしましょう。
※現在は「雇用契約形式」が主流で、「業務委託形式」はほとんどないらしいです。
「事前通知されている労働条件(業務委託条件)」と「実際の条件」に相違がないか
スキマバイト運営側のこのあたりは厳しくチェックしていると思いますが、最初に提示されている労働条件(業務委託条件)と、実際の条件が違う場合があります。
「報酬面のみならず、労働時間、残業代の支給、業務の内容など、事前に提示された条件と、実際の条件が異なるケース」や、「スキマバイトだからといって過大な要求をしたり、パワハラ等の悪質な行為をしてくるケース」も稀にあります。
その際は、早急に「雇用主(就業先)」に相談し、それでも対応してくれない場合や悪質な場合は、「スキマバイトの運営」や「お近くの労働基準監督署」、「弁護士や社労士等」に相談してみましょう。
就業先から急に休み(キャンセル)を告げられたら?
この場合、今回得る予定だった「平均賃金の6割⇨休業手当」を就業先から受け取ることが可能です。
ここでいう「平均賃金」は、1日働いてもらえる報酬額とは異なり、厚労省が定める計算式によって求められます。
スキマバイトの平均賃金は、「日雇労働者の平均賃金の計算式」を用いるのが、適切と想定されます。
日雇労働者の平均賃金は、原則として、「1稼働日当たりの賃金額(1日の報酬額)に100分の73を乗じて得た額」とされています。
※「雇用契約形式」の場合に限る
ただし、次のような場合は就業先から休業手当受けることができません。
- 従業員の都合による休業
- 自然災害(台風等)による休業
- 会社が倒産、経営悪化等による廃業
- 計画停電などの外的要因による休業
- 労働者の健康を考慮して休ませる場合の休業
など
また、当初契約を結んでいた労働時間より前に早上がりさせられた場合なども、同様に休業手当を受け取ることが可能です。
その場合も「平均賃金の6割」が補償されます。
例1)8時間勤務、10,000円の報酬で雇用契約を結んでいたにも関わらず、会社都合により、休業を伝えられた場合
「平均賃金=10,000円×73/100=7,300円」
「休業手当 = 7,300円(平均賃金)×60%=4,380円」
を受け取ることが可能
例2)8時間勤務、10,000円の報酬で雇用契約を結んでいたにも関わらず、会社都合により、3時間の労働で早上がりさせられた場合
「平均賃金=10,000円×73/100=7,300円」
「休業により補償しなければいけない額 ⇨ 7,300円(平均賃金)×60%=4,380円」
すなわち
「3,750円(3時間分)+630円(休業手当)=4,380円(平均賃金の6割補償)」
を受け取ることが可能
今回の「休業手当」は「雇用契約形式」の場合のみですが
「業務委託形式」の場合は、就業先に「違約金請求や損害賠償請求」を行うことが可能な場合があります。
こちらは民事の案件ですので、弁護士等を通じて行うと良いでしょう。
残業代や深夜手当は支給されるのか?
原則、「労働時間が週40時間、1日8時間を超過する部分については残業代(割増率25%以上)が」、「22時〜翌5時までの深夜勤務に関しては深夜手当(割増率25%以上)が」支給されます。
※「雇用契約形式」の場合に限る
ただし、例外もあるので、労働条件をよくチェックするようにしましょう。
- 変形労働時間制等を採用している場合、1日8時間を超過した所定労働時間でも残業代が支給されない場合がある。
- あらかじめ、報酬に固定残業代や深夜手当が含まれている場合
- 管理監督者や、農業・畜産・水産業などの職種
など
さらに、複数の事業所(就業先)から報酬を得る場合(本業+副業など)は、これら労働時間は合算(通算)され、この合算された労働時間が週40時間、1日8時間を超過した部分について残業代が支給されます。
この残業代の支給は、原則、後に雇用契約をした事業所(就業先)が支払う義務があります。
本業の就業先Aで「月〜金までで40時間勤務」(Bより先に雇用契約を締結)
副業のスキマバイト就業先Bで「土曜に5時間勤務」(Aより後に雇用契約を締結)
このようなケースの場合、週の労働時間は45時間となり、5時間分残業代が発生します。
すなわち、このケースでは、後に雇用契約を結んだ「就業先B」が5時間分の残業代を支払う義務が生ずることとなります。
しかし、この残業代の通算は、自己申告性となるため、自身で残業代の支給の対象となるであろう就業先に、労働時間が超過する旨を申し出る必要があります。
その場合、就業先側も「それなら雇いません」という場合も結構あると思います。
残業代の支給があるから、雇用しないということは、違法でもなんでもないので、それに従うしかありません。
自己判断で、申告するかしないか決定するようにしましょう。
被扶養内で働ける要件を超過しないか
主婦(主夫)や学生など、配偶者等の被扶養者として生活をしている方は、被扶養者非該当とならないために細心の注意を払う必要があります。
扶養は「税法上の扶養控除」と「社会保険上の扶養」の2種類に分かれます。
配偶者等(子や父母など)の給与所得について、年間の合計所得金額が48万円以下であれば、配偶者控除の対象となります。
給与所得に関して、年間の合計所得金額48万円以下とは、「給与所得控除額(55万円)」を引いた額のことであり、実際は年間の課税所得金額を103万円以下に抑えれば、配偶者控除の対象となります。
※「雑所得」や「事業所得」の場合、この給与所得控除はなく、年間合計所得金額は48万円以下に抑える必要はありますが、「経費」や「青色申告特別控除(事業所得の場合)」等を、純粋な収入から控除し、48万円以下に減らすことは可能です。
この扶養控除のメリット
- 自身の所得に対し、所得税を支払う必要がなくなる。
- 扶養者(配偶者等)が扶養控除を受けられる(被扶養者の属性によって控除額が増えたり、配偶者の所得によって扶養控除額が変動したりしますので、下記リンクの「扶養控除」や「配偶者特別控除」をご参照ください)。
扶養者(配偶者等)、並びに被扶養者(自身)に対して、メリットがあるので、年間の合計所得金額を48万円以下に抑えても家計に支障を及ぼさないのであれば、この額以下に抑えることを検討しましょう。
以下、参考リンク
社会保険の被扶養者の要件は、被保険者(扶養者)が加入している組合によって様々ですが、一般的に対象者の、年間収入が130万円未満(対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であることが要件です(もう少し詳しい要件もあるので、下記リンクの「被扶養者とは?」をご参照ください)。
ここでいう年間収入とは、通勤費等の非課税支給の給与も含まれます。( 雑所得や事業所得の場合は、「経費」や「青色申告特別控除」等を控除した額)
また、年間収入130万円未満を守っていれば良いというわけではなく、加入している組合によって様々で、「1月あたり108,000円未満であること」や「直近の3ヶ月に支給された給料の平均額が108,000円/月未満であること」などを要件とする組合も存在するので、年間130万円ギリギリを攻めたい場合は、被保険者(扶養者)の加入している組合にご相談してみると良いと思います。
もし、この年間収入が130万以上になってしまい、社会保険の被扶養者対象外になってしまうと、自身で社会保険に加入する義務が生じてしまいます。
そうなってしまうと、「国民健康保険料」や「介護保険料」、「国民年金保険料」を自身で納付しなければならなくなります。
社会保険の扶養に関しては、とても優遇されている制度です。より細心の注意を払ってスキマバイトを検討しましょう。
以下、参考リンク
今回詳しくは触れていませんが、扶養が外れてしまう要件の給与所得の合計額には、給与所得以外の収入(不動産所得、一時所得、譲渡所得など)も含まれます。
そのため、様々な収入のある方は、ご自身で判断することが難しくなってしまう可能性がございます。
もし、ご自身で判断つかない場合は、弊社がご相談承りますので、お気軽にお問い合わせください。
スキマバイトで得た報酬は、確定申告する方がお得な場合も?
スキマバイトにより、報酬の支払いを受ける際に、源泉徴収により所得税が控除される場合があります。
この源泉徴収の目的は、あらかじめ給与から所得税を控除することにより、労働者等の税金支払いの漏れの防止や、確定申告を行う手間を省略するためとされております。
スキマバイトの報酬が給与所得の場合で、スキマバイト以外の給与収入も含め年間の合計所得金額が、48万円以下(年間合計課税所得金額は103万円以下)の場合は、所得税を納める義務が生じないため、源泉徴収された所得税は払い損となってしまいます。そのため、この場合は源泉徴収額が還付の対象となります。
スキマバイトの報酬が給与所得で、他に給与所得があり2以上の給与をもらう場合(本業+副業など)、一定の条件の時は確定申告が必要となります。この場合、「本業の収入が多く、副業で徴収された源泉所得税が足りない場合は追加納税」、「本業の収入が少なく、副業で徴収された源泉所得税が多い場合は還付」となります。
スキマバイトの報酬が給与所得以外の場合、「雑所得の場合は、所得が20万円を超える場合は確定申告が必要(報酬から源泉徴収されてる場合、所得税が還付対象となる可能性あり)」、「事業所得の場合は、基本的に確定申告行うと思うので、収入の内訳等に追加して申告」しましょう。
現在は、e-taxにより簡単に確定申告できるので、オススメです!
雇用保険はどうなる?
スキマバイトは、基本的に雇用保険被保険者の対象外です。
雇用保険被保険者となる要件は、「週20時間以上勤務」、「31日以上雇用見込みがある」「学生ではないこと」などが挙げられ、スキマバイトのようなシステムでは、上記要件を満たしません。
※例外はあるかもしれないので、募集要項を良く確認するように!
さらに、たまたま、同一の雇用先に「週20時間以上勤務」しても対象外です。
ちなみに、「業務委託形式」の場合も同様です。
日雇労働被保険者はどうなる?
現に、別の事業所で「日雇労働被保険者」となった方は、日雇労働被保険者手帳に印紙を貼ってもらえるのでは、と思うかもしれませんが、原則そのようなことはありません。
理由として
- 事業所側が、印紙買うための通帳を持っていないと、印紙を貼ることができないため
- 事業主側が、通帳を持っていたとしても、日雇労働被保険者手帳と紐づいている事業所は別にあるので、納付する義務はない。
行政にも一応確認済みです。
このような事例はまだ無いらしく、今後もっとスキマバイトが流行ってきたら、対応が変わるかもしれません。
労使で合意して、印紙保険料を納付するのは良いらしいですよ!
社会保険(健康保険、厚生年金)はどうなる?
スキマバイトは、基本的に社会保険被保険者の対象外です。
社会保険被保険者となる要件は、任意加入など様々なケースがあり、一概に言えませんが「所定労働時間が週3/4以上」などが要件として挙げられており、スキマバイトのシステムでは、これらを満たしません。
仮に、任意に加入させるといっても、常態的に雇用されるわけでもないので、適用対象外でしょう。
そのため、被扶養者等以外の場合は、「国民健康保険」や「国民年金」に加入する必要があります。
健康保険日雇特例被保険者はどうなる?
現に、別の事業所で「日雇特例被保険者」となった方は、健康保険日雇特例被保険者手帳に印紙を貼ってもらえるのでは、と思うかもしれませんが、原則そのようなことはありません。
理由として
- 事業所側が、印紙買うための通帳を持っていないと、印紙を貼ることができないため
- 事業主側が、通帳を持っていたとしても、健康保険日雇特例被保険者手帳と紐づいている事業所は別にあるので、納付する義務はない。
行政にも一応確認済みです。
このような事例はまだ無いらしく、今後もっとスキマバイトが流行ってきたら、対応が変わるかもしれません。
労使で合意して、印紙保険料を納付するのは良いらしいですよ!
労働中に怪我をしてしまった場合、労災保険の適用は?
「雇用契約形式」の場合は、就業先の労災保険の適用対象となります。
「業務委託形式」の場合は、基本的には就業先の労災保険は適用されません。ただし、実態が労働者的性格が強いと判断されれば、労災保険の適用対象となる場合があります。
失業手当(失業保険)受給中でもスキマバイトはできる!?
雇用保険の失業手当を受給中でも、スキマバイトを行うことは可能です。
ただし、以下の要件を守りましょう。
- 待機期間中は、スキマバイトNG(失業状態を完成させるためでもあるので、原則就労はできません。)
- 受給制限期間中は、スキマバイトOK(ただし、うっかり雇用保険被保険者となる就労を行わないように)
- 受給中は、スキマバイトOK(ただし、1日の労働時間を4時間未満にしなければ、その期間は受給されません。)
最後にこれだけは気をつけて!!
ここ最近、スキマバイトで「闇バイト」を募集しているケースが見受けられるらしいです。
事前に対処できそうだけど、なぜこのようなことが起きているのか??
それは、スキマバイト運営サイトから掲載の許可が下りた後、募集要項を自由に変更できるシステムだからっぽいです。
運営側もチェックする人員増やしたり、AI活用したりして、厳重に逐一チェックしてもらいたいところですね。
どんなトラブルに巻き込まれるかわからないので、よくわからない募集には、絶対応募しないようにしましょう!!
まとめ
スキマバイトは、危険だの、違法だの、さんざん言われておりますが、名の知れている信頼性の高い運営サイトを利用し、よくわからない募集に応募しなければ、そのような危険等は避けられると思います。
もし、スキマバイトをするうえで、不安に思うことがあれば、本記事の内容を思い出してみましょう!
私も、本記事をまとめたからには、スキマバイトを一度体験してみようかなって思いました!
体験したら、その感想もまとめてみますね!
もし、今回のようなスキマバイト等に関して、不安に思うことなどを、専門家に相談したいという方がいましたら、弊社が承りますので、お気軽にご連絡ください。
メールやチャットでのご相談も可能です。その際は、WEB面談の料金よりも、お安くご案内いたします。





